事業用定期借地権方式による土地の有効活用に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

不動産

設例

Aさん(52歳)は、2年前に父親が死亡し、実家(建物とその敷地である甲土地)を相続により単独で取得した。父親が1人で暮らしていた実家の建物(築50年)は、父親が亡くなってから空き家となっている。
Aさんは、実家のある都市とは別の都市に所有するマンションに家族と居住しており、実家に戻る予定はないため、実家の売却を検討している。しかし、先日、不動産会社を通じて、大手ドラッグストアのX社から、「新規出店のため、甲土地について事業用定期借地権の設定契約を締結してもらえないか」との提案を受けたことから、甲土地の有効活用にも興味を抱くようになった。

〈甲土地の概要〉
・甲土地:面積500㎡(間口25m×奥行20mの長方形)
・北側:幅員7mの公道に接する
・東側:幅員5mの公道に接する
・用途地域:第一種住居地域
・指定建蔽率:60%
・指定容積率:300%
・前面道路幅員による容積率の制限:前面道路幅員×4/10
・防火規制:準防火地域

・甲土地は、建蔽率の緩和について特定行政庁が指定する角地である。
・指定建蔽率および指定容積率とは、それぞれ都市計画において定められた数値である。
・特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域ではない。

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

1 「事業用定期借地権について、契約期間満了時にX社から契約の更新の請求があった場合、Aさんは、正当な事由がない限り、この請求を拒絶することができませんので、甲土地の利用状況が長期間にわたり固定化されるというデメリットがあります」

なぜ違う: 事業用定期借地権は契約の更新がなく、期間満了により確定的に終了します。更新請求を拒絶できないという説明は誤りです。

2 「地代の改定方法や契約期間中に中途解約する場合の取扱いなど、契約内容を事前に精査する必要があります。事業用定期借地権の設定契約は、必ずしも公正証書による必要はありませんが、書面により作成する必要があります」

なぜ違う: 事業用定期借地権の設定契約は借地借家法により必ず公正証書によって行わなければならず、公正証書以外の書面では設定できません。

3 「Aさんと事業用定期借地権の設定契約を締結したX社が、甲土地に店舗を建築し、その賃貸借期間中にAさんの相続が開始した場合、相続税額の計算上、甲土地は貸宅地として評価されます」

正解: 3

要点: 正解は 3)。事業用定期借地権を設定した土地は、借地権という他人の権利が付着した宅地となるため、相続税の課税価格の計算上は「貸宅地」として、自用地評価額から借地権相当額を控除して評価されます。

事業用定期借地権を設定した土地は、借地権という他人の権利が付着した宅地となるため、相続税の課税価格の計算上は「貸宅地」として、自用地評価額から借地権相当額を控除して評価されます。したがって3)が適切です。事業用定期借地権は契約の更新や建物買取請求がなく、期間満了により確定的に借地関係が終了するため1)は誤りです。また事業用定期借地権の設定契約は、公正証書によってしなければならないと借地借家法で定められているため、2)も誤りです。

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出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級実技試験(個人資産相談業務)2025年5月公表分 問12