建設協力金方式による土地の有効活用に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

不動産

設例

Aさん(50歳)は、1年前に父親の相続により甲土地(900㎡)を取得している。甲土地は父親の存命中から月極駐車場として賃貸しているが、その収益性は低く、Aさんは、甲土地を有効活用できないかと考えている。
そのような折、知人の不動産会社の社長から、「大手ドラッグストアのX社が、新規出店にあたり、最寄駅から徒歩5分にある甲土地に興味を示しており、X社は建設協力金方式を希望している。また、駅周辺では再開発が進んでおり、居住用建物について相応の需要が見込まれるため、甲土地で賃貸マンション経営をしてもよいのではないか」とアドバイスを受けた。

〈甲土地の概要〉
・甲土地(900㎡)は間口30m×奥行30mの角地である。
・南側は幅員6mの公道(路線価 300D)に、東側は幅員6mの公道(路線価 250D)に接している。
・用途地域:準住居地域
・指定建蔽率:60%
・指定容積率:300%
・前面道路幅員による容積率の制限:前面道路幅員×4/10
・防火規制:準防火地域

・甲土地は、建蔽率の緩和について特定行政庁が指定する角地である。
・指定建蔽率および指定容積率とは、それぞれ都市計画において定められた数値である。
・特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域ではない。

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

1 「建設協力金方式とは、X社が建設資金をAさんに貸し付け、この資金を利用してAさんが建設した店舗をX社に賃貸する手法です。X社から借り受けた建設資金は、契約期間中に賃料と相殺する形で返済するのが一般的です」

なぜ違う: テナントとなるX社が建設資金を貸し付け、その資金で土地所有者が建てた建物をX社に賃貸し、貸付金を賃料と相殺する形で返済していくというのは建設協力金方式の一般的な仕組みで、適切な記述です。

2 「建設協力金方式によりAさんが店舗をX社に賃貸した後、Aさんの相続が開始した場合、相続税額の計算上、店舗は貸家として評価されます」

なぜ違う: 建物は土地所有者であるAさんが所有し、これを賃貸するため、相続税額の計算上、その建物は貸家として評価されます。適切な記述です。

3 「建設協力金方式により建設した店舗の賃貸借契約は、契約の更新がなく、借主であるX社が賃貸借契約満了時に店舗を撤去し、貸主であるAさんに甲土地を更地で返還することが保証されています」

正解: 3

要点: 正解は 3)。設問は「最も不適切なもの」を選ぶ問題です。

設問は「最も不適切なもの」を選ぶ問題です。建設協力金方式は、入居予定のテナントから建設資金を借り受けて土地所有者が建物を建設し、その建物をテナントに賃貸して、借り受けた資金を賃料と相殺しながら返済していく手法です。建物の所有者は土地所有者であり、契約期間満了時にテナントが建物を撤去して更地で返還することが当然に保証されるわけではありません。むしろ建物が残ることによる用途の制約や、テナントが早期退去した場合のリスクが指摘される方式です。したがって選択肢3が不適切です。選択肢1は仕組みの説明として正しく、選択肢2も、建物をAさんが所有して賃貸している以上、相続税の計算上は貸家として評価されるため適切です。

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出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級実技試験(個人資産相談業務)2024年5月公表分 問11