不動産の売買契約に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。

不動産

1 売主から代理権を付与された第三者が売主の所有不動産を売却する場合、その第三者が売買契約の締結時に売主の代理人である旨を買主に告げていなければ、買主がその旨を知ることができたとしても、当該契約は無効となる。

なぜ違う: 代理人であることを示さなくても、相手方が本人のためにすることを知り、または知ることができたときは本人に効果が帰属する(民法第100条ただし書)。契約が無効になるわけではない。

2 共有されている不動産の共有者の1人が、自己が有している持分を第三者に譲渡する場合、他の共有者全員の同意を得なければならない。

なぜ違う: 各共有者は自己の持分を単独で自由に処分できる。他の共有者全員の同意が必要となるのは共有物そのものの変更・処分である。

3 売買の目的物である建物が、その売買契約の締結から当該建物の引渡しまでの間に、地震によって全壊した場合、買主は売主に対して建物代金の支払を拒むことができる。
4 買主が売主に解約手付を交付した場合、相手方が売買契約の履行に着手した後であっても、買主はその解約手付を放棄し、売主はその解約手付の倍額を現実に提供して、当該契約の解除をすることができる。

なぜ違う: 手付による解除ができるのは相手方が契約の履行に着手するまでである。履行着手後は手付解除できない。

正解: 3

要点: 正解は 3)。売買契約締結後、引渡し前に当事者双方の責めに帰することができない事由(地震等)で目的物が滅失した場合、買主は反対給付である代金の支払を拒むことができる(民法第536条第1項)。

売買契約締結後、引渡し前に当事者双方の責めに帰することができない事由(地震等)で目的物が滅失した場合、買主は反対給付である代金の支払を拒むことができる(民法第536条第1項)。危険の移転は引渡し時とされているため(第567条第1項)、引渡し前の滅失リスクは売主が負う。したがって3が適切である。なお民法改正により、引渡し後に生じた滅失・損傷については買主が危険を負担し、契約不適合責任を追及できないこととされた。危険の移転時期を軸に整理するとよい。

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出典:一般社団法人金融財政事情研究会/特定非営利活動法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級学科試験 2025年5月公表分 問42