仮に、Aさんの相続が現時点で開始した場合の相続税等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

相続・事業承継・一部改変

設例

Aさん(82歳)は、妻Bさん(78歳)との2人暮らしである。Aさんの推定相続人は、妻Bさん、長男Cさん(50歳)および孫Fさん(22歳)の3人である。Aさんは、自身の相続が開始した際に遺産分割で親族が争うことがないようにしたいと考えており、遺言書の作成を検討している。

〈Aさんの親族関係図〉
Aさん ― 妻Bさん
   │
   ├──────────┐
長男Cさん ― 配偶者  二男Dさん(既に死亡) ― 配偶者
   │            │
  孫Eさん         孫Fさん

〈Aさんの主な所有財産(相続税評価額)〉
1.現預金:1億円
2.上場株式:4,000万円
3.自宅敷地(250㎡):6,000万円(注)
  自宅建物:1,000万円
(注)「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用前の金額

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

1 「妻Bさんが自宅の敷地と建物を相続により取得し、『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けた場合、自宅の敷地(相続税評価額6,000万円)について、相続税の課税価格に算入すべき価額を4,800万円とすることができます」

なぜ違う: 自宅敷地250㎡は特定居住用宅地等として330㎡まで80%の減額が受けられます。課税価格に算入すべき価額は6,000万円×(1-80%)=1,200万円であり、4,800万円ではありません。

2 「孫Fさんが相続により財産を取得した場合、孫Fさんは相続税額の2割加算の対象となります」

なぜ違う: 孫Fさんは既に死亡した二男Dさんの代襲相続人であり、被相続人の一親等の血族とみなされるため、相続税額の2割加算の対象にはなりません。

3 「遺言により相続財産の大半を妻Bさんおよび長男Cさんが相続した場合、孫Fさんの遺留分を侵害するおそれがあります。仮に、遺留分を算定するための財産の価額を2億4,000万円とした場合、孫Fさんの遺留分の金額は3,000万円となります」

正解: 3

要点: 正解は 3)。遺留分は、相続人全体で遺留分を算定するための財産の価額の2分の1(直系尊属のみが相続人である場合は3分の1)であり、各相続人の遺留分はこれに法定相続分を乗じて求めます。

遺留分は、相続人全体で遺留分を算定するための財産の価額の2分の1(直系尊属のみが相続人である場合は3分の1)であり、各相続人の遺留分はこれに法定相続分を乗じて求めます。Aさんの相続人は妻Bさん、長男Cさん、および二男Dさんの代襲相続人である孫Fさんの3人で、法定相続分は妻Bさんが2分の1、子の相続分2分の1を長男Cさんと孫Fさんが等分するため各4分の1です。したがって孫Fさんの遺留分は2億4,000万円×1/2×1/4=3,000万円となり、選択肢3が適切です。選択肢1は、特定居住用宅地等は330㎡まで80%減額されるため課税価格に算入すべき価額が1,200万円となる点で誤りです。選択肢2は、代襲相続人である孫は2割加算の対象外であるため誤りです。

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出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級実技試験(個人資産相談業務)2024年5月公表分 問14 を一部改変