仮に、Aさんの相続が現時点で開始し、Aさんの相続に係る課税遺産総額(課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額)が1億4,000万円であった場合の相続税の総額として、次のうち最も適切なものはどれか。

相続・事業承継・一部改変

設例

Aさん(72歳)は、妻Bさん(65歳)との2人暮らしである。Aさん夫妻には、子がいない。Aさんは、自身の相続が開始した際には、妻Bさんに全財産を相続させたいと考えており、自筆証書遺言の作成を検討している。

〈Aさんの親族関係図〉
    父(既に死亡)  ―  母(既に死亡)
          │
   ┌─────────┴─────────┐
Aさん ― 妻Bさん         弟Cさん

〈Aさんの主な所有財産(相続税評価額)〉
(1)現預金:1億6,000万円
(2)自宅
 ①敷地(300㎡):5,000万円(注)
 ②建物:1,000万円
(注)「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用前の金額

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

〈相続税の速算表(一部抜粋)〉

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%―
1,000万円超 3,000万円以下15%50万円
3,000万円超 5,000万円以下20%200万円
5,000万円超 10,000万円以下30%700万円
10,000万円超 20,000万円以下40%1,700万円
1 2,800万円

なぜ違う: 2,800万円は、法定相続分を配偶者2分の1・兄弟姉妹2分の1などと誤って按分した場合に生じる値です。子がなく直系尊属も死亡している場合の配偶者の法定相続分は4分の3です。

2 3,000万円
3 3,200万円

なぜ違う: 3,200万円は、弟Cさんの税額を計算する際に速算表の控除額200万円を差し引かなかった場合の値です(妻Bさん2,500万円+3,500万円×20%=700万円)。

正解: 2

要点: 正解は 2)。相続税の総額は、課税遺産総額を法定相続人が法定相続分どおりに取得したものと仮定して各人の税額を計算し、それらを合計して求めます。

相続税の総額は、課税遺産総額を法定相続人が法定相続分どおりに取得したものと仮定して各人の税額を計算し、それらを合計して求めます。Aさんには子がおらず父母もすでに死亡しているため、相続人は妻Bさんと弟Cさんとなり、法定相続分は配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1です。課税遺産総額1億4,000万円を按分すると、妻Bさんが1億500万円、弟Cさんが3,500万円です。速算表を用いると、妻Bさんは1億500万円×40%-1,700万円=2,500万円、弟Cさんは3,500万円×20%-200万円=500万円となります。したがって相続税の総額は2,500万円+500万円=3,000万円です。

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出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級実技試験(保険顧客資産相談業務)2024年5月公表分 問14 を一部改変