遺言に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

相続・事業承継・一部改変

設例

Aさん(72歳)は、妻Bさん(65歳)との2人暮らしである。Aさん夫妻には、子がいない。Aさんは、自身の相続が開始した際には、妻Bさんに全財産を相続させたいと考えており、自筆証書遺言の作成を検討している。

〈Aさんの親族関係図〉
    父(既に死亡)  ―  母(既に死亡)
          │
   ┌─────────┴─────────┐
Aさん ― 妻Bさん         弟Cさん

〈Aさんの主な所有財産(相続税評価額)〉
(1)現預金:1億6,000万円
(2)自宅
 ①敷地(300㎡):5,000万円(注)
 ②建物:1,000万円
(注)「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用前の金額

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

1 「自筆証書遺言は、原則として、遺言者が遺言書の全文を自書して作成しますが、自筆証書に添付する財産目録については、パソコン等で作成することも認められます」
2 「自筆証書遺言を作成した場合、遺言者は、作成した遺言書をあらかじめ家庭裁判所に提出し、その有効性について確認を受けておく必要があります」

なぜ違う: 自筆証書遺言について、作成時に家庭裁判所へ提出して有効性の確認を受ける制度はありません。家庭裁判所が関与するのは相続開始後の検認であり、検認も遺言の有効性を判断する手続ではありません。

3 「妻Bさんが遺言によりAさんの全財産を取得する場合、弟Cさんの遺留分を侵害することになるため、弟Cさんから遺留分侵害額請求を受ける可能性があります」

なぜ違う: 兄弟姉妹には遺留分が認められていません。したがって弟Cさんが遺留分侵害額請求をすることはできません。

正解: 1

要点: 正解は 1)。自筆証書遺言は、遺言者がその全文・日付・氏名を自書し押印して作成するのが原則ですが、2019年1月13日施行の民法改正により、自筆証書に添付する財産目録についてはパソコン等での作成や通帳のコピー等の添付が認められるようになりました(この場合、目録の各ページに署名押印が必要です)。

自筆証書遺言は、遺言者がその全文・日付・氏名を自書し押印して作成するのが原則ですが、2019年1月13日施行の民法改正により、自筆証書に添付する財産目録についてはパソコン等での作成や通帳のコピー等の添付が認められるようになりました(この場合、目録の各ページに署名押印が必要です)。したがって選択肢1が適切です。選択肢2について、遺言書を作成時に家庭裁判所に提出して有効性の確認を受けるという制度はありません。選択肢3について、遺留分が認められるのは配偶者・子(およびその代襲相続人)・直系尊属に限られ、兄弟姉妹には遺留分がありません。Aさんの相続人は妻Bさんと弟Cさんですが、弟Cさんは遺留分侵害額請求をすることができません。

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関連キーワード: 相続・事業承継・3級・実技

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出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級実技試験(保険顧客資産相談業務)2024年5月公表分 問13 を一部改変