仮に、Aさんの相続が現時点で開始した場合の相続税に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

相続・事業承継・一部改変

設例

Aさん(72歳)は、妻Bさん(65歳)との2人暮らしである。Aさん夫妻には、子がいない。Aさんは、自身の相続が開始した際には、妻Bさんに全財産を相続させたいと考えており、自筆証書遺言の作成を検討している。

〈Aさんの親族関係図〉
    父(既に死亡)  ―  母(既に死亡)
          │
   ┌─────────┴─────────┐
Aさん ― 妻Bさん         弟Cさん

〈Aさんの主な所有財産(相続税評価額)〉
(1)現預金:1億6,000万円
(2)自宅
 ①敷地(300㎡):5,000万円(注)
 ②建物:1,000万円
(注)「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用前の金額

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

「妻Bさんが『配偶者に対する相続税額の軽減』の適用を受けた場合、妻Bさんの相続税の課税価格が、相続税の課税価格の合計額に対する妻Bさんの法定相続分相当額または( ① )のいずれか( ② )金額までであれば、原則として、妻Bさんが納付すべき相続税額は算出されません。
相続税の申告書は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から( ③ )以内に、被相続人であるAさんの死亡時の住所地を所轄する税務署長に提出しなければなりません」

1 ① 1億6,000万円 ② 多い ③ 10カ月
2 ① 1億6,000万円 ② 少ない ③ 1年

なぜ違う: 配偶者の税額軽減は法定相続分相当額と1億6,000万円のいずれか「多い」金額までが非課税枠であり「少ない」ではありません。また相続税の申告期限は1年ではなく10カ月です。

3 ① 1億2,000万円 ② 多い ③ 8カ月

なぜ違う: 配偶者の税額軽減の定額基準は1億2,000万円ではなく1億6,000万円です。また相続税の申告期限は8カ月ではなく10カ月です。

正解: 1

要点: 正解は 1)。「配偶者に対する相続税額の軽減」は、被相続人の配偶者が遺産分割等により実際に取得した正味の遺産額が、①1億6,000万円、または②配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額までであれば、配偶者に相続税がかからない制度です(①=1億6,000万円、②=多い)。

「配偶者に対する相続税額の軽減」は、被相続人の配偶者が遺産分割等により実際に取得した正味の遺産額が、①1億6,000万円、または②配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額までであれば、配偶者に相続税がかからない制度です(①=1億6,000万円、②=多い)。したがって法定相続分相当額が1億6,000万円に満たない場合でも1億6,000万円までは非課税となります。また相続税の申告書は、原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内に、被相続人の死亡時の住所地を所轄する税務署長に提出しなければなりません(③=10カ月)。なお、この軽減の適用を受けるには、納付税額が0円となる場合でも相続税の申告書を提出する必要があります。

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出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級実技試験(保険顧客資産相談業務)2024年5月公表分 問15 を一部改変