仮に、Aさんの相続が現時点で開始した場合の相続税に関する以下の文章の空欄①~③に入る数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

相続・事業承継・一部改変

設例

Aさん(75歳)は、妻Bさん(72歳)との2人暮らしである。Aさんの推定相続人は、妻Bさん、長男Dさん(48歳)、二女Eさん(42歳)および孫Fさん(22歳)の4人である。Aさんは、自身の相続が開始した際、家族に財産を円満に承継してもらいたいと考え、自筆証書遺言を作成した。

〈Aさんの親族関係図〉
・Aさん = 妻Bさん(配偶者)
・Aさんの子:長女Cさん(既に死亡)、長男Dさん、二女Eさん
・長女Cさんとその配偶者の子:孫Fさん

〈Aさんの主な所有財産(相続税評価額、下記の生命保険を除く)〉
1.現預金:6,000万円
2.上場株式:2,000万円
3.自宅敷地(300㎡):9,000万円(注)
  自宅建物:2,000万円
4.賃貸アパート敷地(250㎡):5,000万円(注)
  賃貸アパート建物(6室):2,000万円
(注)「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用前の金額

〈Aさんが現在加入している終身保険に関する資料〉
契約者(=保険料負担者)・被保険者:Aさん
死亡保険金受取人:妻Bさん
死亡保険金額:3,000万円

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

「相続税額の計算上、遺産に係る基礎控除額は、『3,000万円+( ① )万円×法定相続人の数』の算式により算出されます。
 相続人である妻Bさんが受け取る死亡保険金は、相続税の課税対象となりますが、死亡保険金の非課税金額の規定により、『( ② )万円×法定相続人の数』の算式により算出された金額が、相続税の非課税財産となります。
 また、妻Bさんが自宅の敷地と建物を相続により取得し、その敷地の全部について、特定居住用宅地等として『小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例』の適用を受けた場合、自宅の敷地(相続税評価額9,000万円)について、相続税の課税価格に算入すべき価額を( ③ )万円とすることができます」

1 ① 600 ② 300 ③ 7,200

なぜ違う: ②と③が誤りです。死亡保険金の非課税限度額は1人当たり500万円であり、特定居住用宅地等の減額割合は80%なので課税価格算入額は1,800万円です。

2 ① 500 ② 300 ③ 4,500

なぜ違う: ①②③すべて誤りです。基礎控除の加算額は1人当たり600万円、死亡保険金の非課税額は1人当たり500万円、自宅敷地の算入額は1,800万円です。

3 ① 600 ② 500 ③ 1,800

正解: 3

要点: 正解は 3)。遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で算出します(①600)。

遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で算出します(①600)。相続人が受け取る死亡保険金の非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」です(②500)。本問の法定相続人は妻Bさん、長男Dさん、二女Eさん、および長女Cさんの代襲相続人である孫Fさんの4人です。また特定居住用宅地等は330㎡を限度に80%減額されるため、300㎡の自宅敷地は全部が対象となり、課税価格に算入すべき価額は9,000万円×(1-80%)=1,800万円です(③1,800)。よって3)が正解です。

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出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級実技試験(個人資産相談業務)2025年5月公表分 問14 を一部改変