Mさんは、X社株式およびY投資信託の課税関係について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も適切なものはどれか。

金融資産運用・一部改変

設例

会社員のAさん(28歳)は、株式や投資信託による資産運用を始めたいと考えているが、投資経験がなく、株式や投資信託の銘柄を選ぶ際の判断材料や留意点について知りたいと思っている。
そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。Mさんは、Aさんに対して、X社株式(東京証券取引所上場銘柄)およびY投資信託を例として、株式や投資信託に投資する際の留意点等について説明を行った。

〈X社に関する資料〉

項目金額等
総資産9,000億円
自己資本(純資産)3,000億円
当期純利益300億円
年間配当金総額90億円
発行済株式数1億2,000万株
株価3,000円

〈Y投資信託(公募株式投資信託)に関する資料〉
銘柄名:TOPIXインデックス
投資対象地域/資産:国内/株式
信託期間:無期限
基準価額:11,500円(1万口当たり)
決算日:年1回(10月20日)
購入時手数料:なし
運用管理費用(信託報酬):0.187%(税込)
信託財産留保額:なし

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

1 「特定口座(源泉徴収あり)でX社株式を株価3,000円で100株購入し、同年中に株価3,200円で全株売却した場合、その他の取引や手数料等を考慮しなければ、譲渡益2万円に対して20.315%相当額が源泉徴収等されます」
2 「X社株式を購入して配当を受け取った場合、その配当について配当控除の適用を受けるためには、申告分離課税を選択して所得税の確定申告をする必要があります」

なぜ違う: 配当控除の適用を受けるには、確定申告で総合課税を選択する必要があります。申告分離課税を選択した場合は上場株式等の譲渡損失との損益通算はできますが、配当控除の適用は受けられません。

3 「Y投資信託を基準価額11,500円(1万口当たり)で1万口購入した後、最初の決算時に1万口当たり200円の収益分配金が支払われ、分配落ち後の基準価額が11,700円(1万口当たり)となった場合、その収益分配金は、全額が元本払戻金(特別分配金)として非課税となります」

なぜ違う: 分配落ち後の基準価額11,700円が個別元本11,500円を上回っているため、収益分配金200円は全額が普通分配金として課税対象になります。元本払戻金(特別分配金)となるのは分配落ち後の基準価額が個別元本を下回る場合です。

正解: 1

要点: 正解は 1)。特定口座(源泉徴収あり)で上場株式を売却した場合、譲渡益に対して所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%の合計20.315%が源泉徴収等されます。

特定口座(源泉徴収あり)で上場株式を売却した場合、譲渡益に対して所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%の合計20.315%が源泉徴収等されます。株価3,000円で100株購入し3,200円で全株売却した場合の譲渡益は(3,200円-3,000円)×100株=2万円ですから、この2万円に対して20.315%相当額が源泉徴収等されることになり、選択肢1が適切です。選択肢2は、配当控除の適用を受けるには確定申告で総合課税を選択する必要があり、申告分離課税では適用を受けられない点が誤りです。選択肢3は、分配落ち後の基準価額11,700円が個別元本11,500円を上回っているため、収益分配金200円は全額が普通分配金として課税対象となり、元本払戻金(特別分配金)にはなりません。

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出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級実技試験(個人資産相談業務)2024年5月公表分 問6 を一部改変