Aさんの2025年分の所得税における所得控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

タックスプランニング

設例

Aさんは、妻Bさんとともに飲食店を営む個人事業主である。Aさんは、2025年中に一時払変額個人年金保険の解約返戻金を受け取っている。また、Aさんは、2025年中に妻Bさんの入院・通院に係る医療費を支払っており、医療費控除の適用を受けたいと考えている。

〈Aさんとその家族に関する資料〉
Aさん(52歳):個人事業主(青色申告者)
妻Bさん(50歳):Aさんが営む飲食店の事業に専ら従事し、2025年中に、青色事業専従者として給与収入90万円を得ている。
母Cさん(80歳):2025年中に、老齢基礎年金50万円と遺族厚生年金50万円を受け取っている。

〈Aさんの2025年分の収入等に関する資料〉
(1)事業所得の金額:500万円(青色申告特別控除後)
(2)一時払変額個人年金保険(10年確定年金)の解約返戻金
 契約年月:2017年6月
 契約者(=保険料負担者)・被保険者:Aさん
 死亡保険金受取人:妻Bさん
 解約返戻金額:620万円
 正味払込保険料:500万円

〈Aさんが2025年中に支払った医療費に関する資料〉
妻Bさんの入院に伴って病院に支払った費用:9万円
妻Bさんの通院に伴って病院に支払った費用:3万円
※合計12万円の全額が医療費控除の対象となる医療費に該当する。
※医療費を補填する保険金等は受け取っていない。

※妻Bさんおよび母Cさんは、Aさんと同居し、生計を一にしている。
※Aさんとその家族は、いずれも障害者および特別障害者には該当しない。
※Aさんとその家族の年齢は、いずれも2025年12月31日現在のものである。
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

1 「妻Bさんの合計所得金額は58万円以下ですので、Aさんは配偶者控除の適用を受けることができます」

なぜ違う: 妻Bさんは青色事業専従者として給与の支払を受けているため、その年について配偶者控除・配偶者特別控除の対象から除外されます。合計所得金額の多寡にかかわらず適用を受けられません。

2 「Aさんが支払った妻Bさんの入院・通院に係る医療費について、Aさんが適用を受けることができる医療費控除の控除額は10万円となります」

なぜ違う: 医療費控除額は、支払った医療費から保険金等で補填される金額と10万円(総所得金額等が200万円未満の場合はその5%)を差し引いて求めます。12万円-10万円=2万円であり、10万円ではありません。

3 「母Cさんは老人扶養親族の同居老親等に該当するため、Aさんは、母Cさんについて58万円の扶養控除の適用を受けることができます」

正解: 3

要点: 正解は 3)。母Cさんは80歳で、Aさんと同居し生計を一にしています。

母Cさんは80歳で、Aさんと同居し生計を一にしています。母Cさんの2025年の収入は老齢基礎年金50万円と遺族厚生年金50万円ですが、遺族厚生年金は非課税所得なので所得計算に含めません。老齢基礎年金50万円は公的年金等控除額(65歳以上は最低110万円)を下回るため雑所得は0円となり、合計所得金額は58万円以下で扶養親族の要件を満たします。70歳以上の扶養親族で納税者と同居している場合は「老人扶養親族(同居老親等)」に該当し、扶養控除額は58万円です。よって選択肢3が最も適切です。

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出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級実技試験(保険顧客資産相談業務)2026年5月公表分 問12