仮に、X社がAさんに役員退職金5,000万円を支給した場合、Aさんが受け取る役員退職金に係る退職所得の金額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、Aさんの役員在任期間(勤続年数)を40年とし、これ以外に退職手当等の収入はなく、障害者になったことが退職の直接の原因ではないものとする。

タックスプランニング

設例

Aさん(70歳)は、X株式会社(以下、「X社」という)の創業社長である。Aさんは、後継者である長男Bさん(45歳)への事業の承継にめどがつき、今期で第一線から退くつもりでいる。
Aさんは、この機に、従業員の福利厚生の充実を図りたいと考え、従業員に対する退職金準備の方法について生命保険会社の営業担当者であるファイナンシャル・プランナーのMさんに相談したところ、下記の養老保険(福利厚生プラン)の提案を受けた。また、中小企業退職金共済制度の説明を受けた。

〈Aさんが提案を受けた養老保険(福利厚生プラン)に関する資料〉
保険の種類:養老保険(特約付加なし)
契約者(=保険料負担者):X社
被保険者:全役員・全従業員(30名)
死亡保険金受取人:被保険者の遺族
満期保険金受取人:X社
死亡保険金額:500万円(1人当たり)
保険期間・保険料払込期間:60歳満了
年払保険料:600万円(30名の合計)

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

1 1,400万円
2 1,700万円

なぜ違う: 1,700万円は、退職所得控除額を勤続年数40年すべて1年当たり40万円として1,600万円と計算した場合の値です((5,000万円-1,600万円)×1/2)。20年を超える部分は1年当たり70万円で計算します。

3 2,800万円

なぜ違う: 2,800万円は、収入金額から退職所得控除額を差し引いた残額(5,000万円-2,200万円)そのものです。退職所得の金額は、勤続年数5年以下の特定役員等でない限り、この残額にさらに2分の1を乗じて求めます。

正解: 1

要点: 正解は 1)。退職所得の金額は「(収入金額-退職所得控除額)×1/2」で計算します(勤続年数5年以下の特定役員等に該当する場合を除きます)。

退職所得の金額は「(収入金額-退職所得控除額)×1/2」で計算します(勤続年数5年以下の特定役員等に該当する場合を除きます)。退職所得控除額は、勤続年数が20年以下の部分は1年あたり40万円、20年を超える部分は1年あたり70万円で計算するので、勤続年数40年のAさんの場合は40万円×20年+70万円×(40年-20年)=800万円+1,400万円=2,200万円です。したがって退職所得の金額は(5,000万円-2,200万円)×1/2=1,400万円となります。Aさんは役員在任期間が40年で5年以下の特定役員等には該当せず、また障害者になったことによる退職ではないため控除額の100万円加算もありません。

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出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級実技試験(保険顧客資産相談業務)2024年5月公表分 問7