Aさんの2023年分の所得税における総所得金額として、次のうち最も適切なものはどれか。

タックスプランニング・一部改変

設例

会社員のAさんは、妻Bさんおよび長男Cさんとの3人家族である。Aさんは、住宅ローンを利用して2023年10月に新築マンションを取得し、同月中に入居した。また、Aさんは、生命保険の見直しを行った結果、2023年中に終身保険を解約し、解約返戻金を受け取っている。

〈Aさんとその家族に関する資料〉
Aさん  (38歳):会社員
妻Bさん (40歳):2023年中に、パートタイマーとして給与収入80万円を得ている。
長男Cさん(10歳):小学生。2023年中の収入はない。

〈Aさんの2023年分の収入等に関する資料〉
(1)給与収入の金額:800万円
(2)終身保険の解約返戻金
 契約年月:2008年4月
 契約者(=保険料負担者)・被保険者:Aさん
 死亡保険金受取人:妻Bさん
 解約返戻金額:240万円
 正味払込保険料:270万円

〈Aさんが利用した住宅ローンに関する資料〉
借入年月:2023年10月
2023年12月末の借入金残高:2,200万円

※住宅借入金等特別控除の適用要件は、すべて満たしている。
※妻Bさんおよび長男Cさんは、Aさんと同居し、生計を一にしている。
※Aさんとその家族は、いずれも障害者および特別障害者には該当しない。
※Aさんとその家族の年齢は、いずれも2023年12月31日現在のものである。
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

〈給与所得控除額〉

給与収入金額給与所得控除額
180万円以下収入金額×40%-10万円(55万円に満たない場合は、55万円)
180万円超 360万円以下収入金額×30%+8万円
360万円超 660万円以下収入金額×20%+44万円
660万円超 850万円以下収入金額×10%+110万円
850万円超195万円
1 580万円

なぜ違う: 580万円は、一時所得の赤字30万円(解約返戻金240万円-正味払込保険料270万円)を給与所得610万円から差し引いた場合の値です。一時所得の損失は他の所得と損益通算できません。

2 610万円
3 770万円

なぜ違う: 770万円は、給与所得控除190万円を差し引かずに給与収入800万円から一時所得の赤字30万円を引いた場合の値です。給与所得控除の適用と、一時所得の損失が通算できないことの両方を取り違えています。

正解: 2

要点: 正解は 2)。総所得金額は、給与所得と一時所得(2分の1後)などを合算して求めます。

総所得金額は、給与所得と一時所得(2分の1後)などを合算して求めます。まず給与所得は、給与収入800万円が「660万円超850万円以下」の区分に当たるため、給与所得控除額が800万円×10%+110万円=190万円となり、給与所得は800万円-190万円=610万円です。次に終身保険の解約返戻金は一時所得に区分され、その金額は総収入金額240万円-支出した金額(正味払込保険料)270万円-特別控除額(最高50万円)で計算しますが、収入より支出のほうが多く赤字となるため一時所得の金額は0円です。一時所得の損失は他の所得と損益通算できません。したがって総所得金額は給与所得610万円のみとなります。

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出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級実技試験(保険顧客資産相談業務)2024年5月公表分 問10 を一部改変