仮に、将来X社がAさんに役員退職金4,000万円を支給した場合、Aさんが受け取る役員退職金に係る退職所得の金額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、Aさんの役員在任期間(勤続年数)を20年とし、これ以外に退職手当等の収入はなく、障害者になったことが退職の直接の原因ではないものとする。

タックスプランニング

設例

Aさん(50歳)は、X株式会社(以下、「X社」という)の創業社長である。Aさんは、先日、生命保険会社の営業担当者から、自身の退職金準備を目的とした下記の生命保険の提案を受けた。
そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。

〈Aさんが提案を受けた生命保険に関する資料〉
保険の種類:無配当低解約返戻金型終身保険(特約付加なし)
契約者(=保険料負担者):X社
被保険者:Aさん
死亡保険金受取人:X社
死亡保険金額:5,000万円
保険料払込期間・低解約返戻金期間:65歳満了
年払保険料:300万円
65歳までの払込保険料累計額:4,500万円
65歳時の解約返戻金額:4,100万円(低解約返戻金期間満了直後)
※解約返戻金額の80%の範囲内で、契約者貸付制度を利用することができる。

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

1 800万円

なぜ違う: 800万円は退職所得控除額そのものの金額です。退職所得は収入金額から控除額を差し引いた残額の2分の1であり、控除額を答えとするのは誤りです。

2 1,600万円
3 3,200万円

なぜ違う: 3,200万円は収入金額4,000万円から控除額800万円を差し引いただけの金額で、2分の1を乗じる処理が抜けています。

正解: 2

要点: 正解は 2)。退職所得の金額は「(収入金額-退職所得控除額)×1/2」で計算します(役員等で勤続年数5年以下の場合を除く)。

退職所得の金額は「(収入金額-退職所得控除額)×1/2」で計算します(役員等で勤続年数5年以下の場合を除く)。退職所得控除額は、勤続年数20年以下の部分が1年当たり40万円、20年超の部分が1年当たり70万円です。Aさんの役員在任期間は20年なので、控除額は40万円×20年=800万円となります。したがって退職所得の金額は(4,000万円-800万円)×1/2=1,600万円です。Aさんは勤続年数が5年を超える役員なので1/2課税が適用され、また障害を直接の原因とする退職ではないため100万円の加算もありません。

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出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級実技試験(保険顧客資産相談業務)2026年5月公表分 問7