Mさんは、Aさんおよび妻Bさんが受給することができる公的年金制度の老齢給付について説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も適切なものはどれか。

ライフプランニングと資金計画・一部改変

設例

X株式会社(以下、「X社」という)に勤務するAさん(49歳)は、妻Bさん(47歳)との2人暮らしである。Aさんは、大学卒業後から現在に至るまでX社に勤務しており、60歳の定年後も継続雇用制度を利用して、65歳まで同社に勤務する予定である。先日、同世代の友人が確定拠出年金の個人型年金に加入していることを知り、老後の生活を見据え、公的年金制度から支給される老齢給付や確定拠出年金の個人型年金について理解を深めたいと思うようになった。
そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。

〈Aさんおよび妻Bさんに関する資料〉

(1)Aさん(1974年11月15日生まれ、49歳、会社員)
・公的年金加入歴:下表のとおり(65歳までの見込みを含む)
・全国健康保険協会管掌健康保険、雇用保険に加入している。
・X社が実施する確定給付企業年金の加入者である。
 なお、X社が実施する企業年金は、確定給付企業年金のみである。

期間制度・区分月数
20歳~22歳国民年金 保険料未納期間29月
22歳~65歳厚生年金保険 被保険者期間511月

(2)妻Bさん(1976年7月4日生まれ、47歳、専業主婦)
・公的年金加入歴:18歳からの12年間(144月)は厚生年金保険に加入。その後は、国民年金に第3号被保険者として加入している。
・全国健康保険協会管掌健康保険の被扶養者である。

※妻Bさんは、現在および将来においても、Aさんと同居し、Aさんと生計維持関係にあるものとする。
※Aさんおよび妻Bさんは、現在および将来においても、公的年金制度における障害等級に該当する障害の状態にないものとする。
※Aさんおよび妻Bさんの年齢は、いずれも2023年12月31日現在のものである。
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

1 「1976年7月4日生まれの妻Bさんは、原則として、64歳から報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金を受け取ることができます」

なぜ違う: 特別支給の老齢厚生年金の対象となるのは、女性の場合1966年4月1日以前生まれの人です。1976年7月4日生まれの妻Bさんは対象外で、65歳から老齢厚生年金を受給することになります。

2 「妻Bさんには厚生年金保険の被保険者期間が10年以上ありますので、Aさんが65歳から受給する老齢厚生年金の額には加給年金額の加算はありません」

なぜ違う: 加給年金額が加算されない配偶者側の要件は、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上あることなどにより配偶者自身が老齢厚生年金等を受給できる場合です。妻Bさんの被保険者期間は144月(12年)で20年に満たないため、加給年金額は加算されます。

3 「Aさんは、老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰下げ支給の申出を、66歳以降、それぞれ単独で行うことができます」

正解: 3

要点: 正解は 3)。老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰下げ支給は、それぞれ独立して申出を行うことができ、一方だけを繰り下げることも、両方を異なる時期に繰り下げることも可能です。

老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰下げ支給は、それぞれ独立して申出を行うことができ、一方だけを繰り下げることも、両方を異なる時期に繰り下げることも可能です。申出ができるのは66歳に達した日以後で、最長75歳まで繰り下げられます。したがって選択肢3が適切です。選択肢1について、特別支給の老齢厚生年金は生年月日により支給対象が限られ、女性は1966年4月1日以前生まれが対象ですから、1976年生まれの妻Bさんは受け取れません。選択肢2について、加給年金額は、受給権者が厚生年金保険の被保険者期間20年以上で、生計維持関係にある65歳未満の配偶者等がいる場合に加算されます。妻Bさんの厚生年金保険の被保険者期間は144月(12年)で20年未満のため、加給年金額の加算が制限されることはありません。

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出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級実技試験(個人資産相談業務)2024年5月公表分 問2 を一部改変