Aさんが提案を受けた終身保険の第1回保険料払込時の経理処理(仕訳)として、次のうち最も適切なものはどれか。

リスク管理

設例

Aさん(50歳)は、X株式会社(以下、「X社」という)の創業社長である。Aさんは、先日、生命保険会社の営業担当者から、自身の退職金準備を目的とした下記の生命保険の提案を受けた。
そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。

〈Aさんが提案を受けた生命保険に関する資料〉
保険の種類:無配当低解約返戻金型終身保険(特約付加なし)
契約者(=保険料負担者):X社
被保険者:Aさん
死亡保険金受取人:X社
死亡保険金額:5,000万円
保険料払込期間・低解約返戻金期間:65歳満了
年払保険料:300万円
65歳までの払込保険料累計額:4,500万円
65歳時の解約返戻金額:4,100万円(低解約返戻金期間満了直後)
※解約返戻金額の80%の範囲内で、契約者貸付制度を利用することができる。

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

1 【仕訳】 (借方)保険料積立金 150万円/(貸方)現金・預金 300万円     定期保険料 150万円

なぜ違う: 終身保険には掛捨て部分がないため、保険料を保険料積立金と定期保険料に按分する処理は行いません。全額が資産計上になります。

2 【仕訳】 (借方)定期保険料 300万円/(貸方)現金・預金 300万円

なぜ違う: 全額を定期保険料として損金算入する処理は、掛捨ての定期保険に対応するものです。貯蓄性のある終身保険には当てはまりません。

3 【仕訳】 (借方)保険料積立金 300万円/(貸方)現金・預金 300万円

正解: 3

要点: 正解は 3)。法人が契約者・死亡保険金受取人となる終身保険は、保険期間が終身で必ず保険金が支払われるため貯蓄性が高く、支払保険料の全額が資産計上の対象となります。

法人が契約者・死亡保険金受取人となる終身保険は、保険期間が終身で必ず保険金が支払われるため貯蓄性が高く、支払保険料の全額が資産計上の対象となります。したがって第1回保険料300万円は、借方に「保険料積立金 300万円」、貸方に「現金・預金 300万円」と仕訳します。定期保険のように保険期間の定めがある掛捨て型であれば期間や最高解約返戻率に応じて損金算入されますが、終身保険は解約返戻金という資産価値が積み上がっていくため、損金には計上しません。よって全額を保険料積立金とする選択肢3が最も適切です。

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出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級実技試験(保険顧客資産相談業務)2026年5月公表分 問8