仮に、Aさんの相続が現時点で開始した場合の「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」(以下、「本特例」という)に関する以下の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

相続・事業承継・一部改変

設例

Aさん(75歳)は、妻Bさん(70歳)との2人暮らしである。
Aさんは、自身の相続が開始した際には、自宅を妻Bさんに、賃貸アパートを長男Cさん(50歳)に遺したいと考えている。また、長男Cさんの子である孫Eさん(22歳)と、3年前に他界した二男Dさんの子である孫Fさん(20歳)にも、相応の資産を遺したいと考え、先日、公証役場を訪れて、公正証書遺言を作成した。

〈Aさんの親族関係図〉
・Aさん = 妻Bさん(配偶者)
・Aさんの子:長男Cさん、二男Dさん(既に死亡)
・長男Cさんとその配偶者の子:孫Eさん
・二男Dさんとその配偶者の子:孫Fさん

〈Aさんの主な所有財産(相続税評価額)〉
(1)現預金:1億2,000万円
(2)自宅
 ①敷地(300㎡):6,000万円(注)
 ②建物:1,000万円
(3)賃貸アパート(現在、全室賃貸中)
 ①敷地(180㎡):4,500万円(注)
 ②建物(6室):4,000万円
(注)「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」適用前の金額

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

「妻Bさんが取得する自宅の敷地の全部について、特定居住用宅地等として本特例の適用を受けた場合、自宅の敷地(相続税評価額6,000万円)について、相続税の課税価格に算入すべき価額を( ① )万円とすることができます。
 一方、長男Cさんが取得する賃貸アパートの敷地の全部について、貸付事業用宅地等として本特例の適用を受けた場合、賃貸アパートの敷地(相続税評価額4,500万円)について、相続税の課税価格に算入すべき価額を( ② )万円とすることができます。
 なお、自宅の敷地と賃貸アパートの敷地の両方について本特例の適用を受けようとする場合、適用対象面積の調整をする必要( ③ )」

1 ① 1,200 ② 900 ③ はありません

なぜ違う: ②と③が誤りです。貸付事業用宅地等の減額割合は50%なので2,250万円となり、また特定居住用と貸付事業用の併用には面積調整が必要です。

2 ① 1,200 ② 2,250 ③ があります
3 ① 4,800 ② 2,250 ③ はありません

なぜ違う: ①と③が誤りです。特定居住用宅地等の減額割合は80%なので1,200万円となり、また貸付事業用宅地等との併用には面積調整が必要です。

正解: 2

要点: 正解は 2)。特定居住用宅地等は330㎡を限度に評価額の80%が減額されます。

特定居住用宅地等は330㎡を限度に評価額の80%が減額されます。自宅敷地300㎡は限度面積以内なので全部が対象となり、課税価格に算入すべき価額は6,000万円×(1-80%)=1,200万円です(①1,200)。貸付事業用宅地等は200㎡を限度に50%減額となり、賃貸アパート敷地180㎡も限度面積以内なので4,500万円×(1-50%)=2,250万円です(②2,250)。特定居住用宅地等と貸付事業用宅地等を併用する場合は完全併用ができず、所定の算式による適用対象面積の調整が必要です(③があります)。よって2)が正解です。

この問題に出てくる用語

関連キーワード: 相続・事業承継・不動産・3級・実技

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出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級実技試験(保険顧客資産相談業務)2025年5月公表分 問14 を一部改変