Mさんは、現時点においてAさんが死亡した場合に妻Bさんに支給される遺族厚生年金について説明した。Mさんが、Aさんに対して説明した以下の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

ライフプランニングと資金計画・一部改変

設例

会社員のAさん(45歳)は、妻Bさん(38歳)、長女Cさん(10歳)および長男Dさん(6歳)との4人暮らしである。Aさんは、自分が死亡した場合に、妻Bさんが受給することができる公的年金制度の遺族給付について知りたいと思っている。また、公的介護保険の給付についても確認しておきたいと思っている。
そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。

〈Aさんとその家族に関する資料〉
Aさん:1980年11月14日生まれ
    会社員(厚生年金保険・全国健康保険協会管掌健康保険に加入)
妻Bさん:1987年6月24日生まれ
     国民年金に第3号被保険者として加入している。
長女Cさん:2015年7月7日生まれ
長男Dさん:2019年6月4日生まれ

〈公的年金加入歴(2025年12月分まで)〉

Aさん

期間制度・区分月数
20歳~22歳国民年金 保険料納付済期間29月
22歳~45歳厚生年金保険 被保険者期間273月

妻Bさん

期間制度・区分月数
20歳~22歳国民年金 保険料納付済期間34月
22歳~退職厚生年金保険 被保険者期間84月
退職~38歳国民年金 保険料納付済期間105月

※妻Bさん、長女Cさんおよび長男Dさんは、現在および将来においても、Aさんと同居し、Aさんと生計維持関係にあるものとする。
※Aさんとその家族は、現在および将来においても、公的年金制度における障害等級に該当する障害の状態にないものとする。
※Aさんとその家族の年齢は、いずれも2025年12月31日現在のものである。
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

「遺族厚生年金の額は、原則として、Aさんの厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の( ① )相当額になります。ただし、Aさんの場合、その計算の基礎となる被保険者期間の月数が( ② )月に満たないため、( ② )月とみなして年金額が計算されます。
 また、長男Dさんの18歳到達年度の末日が終了すると、妻Bさんの有する遺族基礎年金の受給権は消滅します。その後、妻Bさんが65歳に達するまでの間、妻Bさんに支給される遺族厚生年金の額に( ③ )が加算されます」

1 ① 3分の2 ② 300 ③ 経過的寡婦加算額

なぜ違う: ①の3分の2が誤りで、正しくは報酬比例部分の4分の3相当額です。③の経過的寡婦加算額は、中高齢寡婦加算が終わる65歳以降に一定の生年月日の妻へ加算されるもので、この場面には当てはまりません。

2 ① 5分の4 ② 360 ③ 中高齢寡婦加算額

なぜ違う: ①の5分の4という割合は制度上存在せず、②の360月も誤りです。最低保障として用いる月数は300月です。

3 ① 4分の3 ② 300 ③ 中高齢寡婦加算額

正解: 3

要点: 正解は 3)。遺族厚生年金の額は、死亡した人の被保険者記録に基づいて計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3相当額です(①)。

遺族厚生年金の額は、死亡した人の被保険者記録に基づいて計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3相当額です(①)。在職中の死亡など短期要件に該当する場合、被保険者期間の月数が300月に満たないときは300月とみなして計算する最低保障が設けられています(②)。Aさんの厚生年金保険の被保険者期間は273月で300月に満たないため、この最低保障が適用されます。さらに、末子である長男Dさんの18歳到達年度末が過ぎて遺族基礎年金の受給権が消滅した後、40歳以上65歳未満の妻には65歳まで中高齢寡婦加算額が上乗せされます(③)。よって選択肢3が正解です。

この問題に出てくる用語

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出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級実技試験(個人資産相談業務)2026年5月公表分 問2 を一部改変