Mさんは、現時点においてAさんが死亡した場合に妻Bさんに支給される遺族厚生年金について説明した。Mさんが、Aさんに対して説明した以下の文章の空欄①~③に入る語句または数値の組合せとして、次のうち最も適切なものはどれか。

ライフプランニングと資金計画・一部改変

設例

会社員のAさん(32歳)は、妻Bさん(34歳)および長男Cさん(0歳)との3人暮らしである。
Aさんは、長男Cさんが誕生したことを機に、生命保険の見直しを考えており、まずは自分が死亡した場合に支給される公的年金制度の遺族給付について知りたいと思っている。
そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。

〈Aさんとその家族に関する資料〉

(1)Aさん(1993年10月10日生まれ、会社員)
・公的年金加入歴:下表のとおり(60歳までの見込みを含む)
・全国健康保険協会管掌健康保険、雇用保険に加入している。

期間制度・区分月数
20歳~22歳国民年金 保険料納付済期間30月
22歳~60歳厚生年金保険 被保険者期間450月

(2)妻Bさん(1991年7月18日生まれ、専業主婦)
・公的年金加入歴:下表のとおり(60歳までの見込みを含む)
 Aさんと結婚後は、国民年金に第3号被保険者として加入している。
・全国健康保険協会管掌健康保険の被扶養者である。

期間制度・区分月数
20歳~22歳国民年金 保険料納付済期間33月
22歳~Aさんと結婚厚生年金保険 被保険者期間123月
Aさんと結婚~60歳国民年金 保険料納付済期間324月

(3)長男Cさん(2025年6月1日生まれ)
・全国健康保険協会管掌健康保険の被扶養者である。

※妻Bさんおよび長男Cさんは、現在および将来においても、Aさんと同居し、Aさんと生計維持関係にあるものとする。
※Aさんとその家族は、現在および将来においても、公的年金制度における障害等級に該当する障害の状態にないものとする。
※Aさんとその家族の年齢は、いずれも2025年12月31日現在のものである。
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

「遺族厚生年金の額は、原則として、Aさんの厚生年金保険の被保険者記録を基礎として計算した老齢厚生年金の報酬比例部分の額の( ① )相当額になります。ただし、Aさんの場合、その計算の基礎となる被保険者期間の月数が( ② )月に満たないため、( ② )月とみなして年金額が計算されます。
 また、長男Cさんの18歳到達年度の末日が終了すると、妻Bさんの有する遺族基礎年金の受給権は消滅します。その後、妻Bさんが65歳に達するまでの間、妻Bさんには、( ③ )が加算された遺族厚生年金が支給されます」

1 ① 4分の3 ② 240 ③ 加給年金額

なぜ違う: ②の240月は誤りで、最低保障の月数は300月です。また③の加給年金額は老齢厚生年金などに付く加算で、遺族厚生年金に上乗せされるのは中高齢寡婦加算です。

2 ① 3分の2 ② 240 ③ 中高齢寡婦加算

なぜ違う: ①の3分の2が誤りです。遺族厚生年金は報酬比例部分の4分の3相当額であり、②の240月も最低保障月数(300月)と一致しません。

3 ① 4分の3 ② 300 ③ 中高齢寡婦加算

正解: 3

要点: 正解は 3)。遺族厚生年金の額は、死亡した人の被保険者記録に基づく老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3相当額です(①)。

遺族厚生年金の額は、死亡した人の被保険者記録に基づく老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3相当額です(①)。ただし、在職中の死亡など短期要件に該当する場合、被保険者期間の月数が300月に満たないときは300月とみなして計算する最低保障があります(②)。Aさんは現時点で厚生年金保険の被保険者期間が300月未満のため、この300月みなしが適用されます。また、遺族基礎年金は末子が18歳到達年度末を過ぎると受給権が消滅しますが、そのとき40歳以上65歳未満の妻には、65歳になるまで中高齢寡婦加算が上乗せされます(③)。よって①4分の3・②300・③中高齢寡婦加算の組合せが正解です。

この問題に出てくる用語

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出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級実技試験(保険顧客資産相談業務)2026年5月公表分 問2 を一部改変