X社が現在加入している長期平準定期保険を下記の〈条件〉により解約した場合の経理処理(仕訳)として、次のうち最も適切なものはどれか。

リスク管理

設例

Aさん(65歳)は、X株式会社(以下、「X社」という)の創業社長である。Aさんは今期限りで勇退する予定であり、X社が加入している生命保険の解約返戻金を退職金の原資として活用したいと考えている。
そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。

〈X社が現在加入している生命保険に関する資料〉
保険の種類:長期平準定期保険(特約付加なし)
契約年月日:1999年6月1日
契約者(=保険料負担者):X社
被保険者:Aさん
死亡保険金受取人:X社
死亡保険金額:1億円
保険期間・保険料払込期間:95歳満了
年払保険料:200万円

※保険料の払込みを中止し、払済終身保険に変更することができる。
※解約返戻金額の80%の範囲内で、契約者貸付制度を利用することができる。

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

〈条件〉
・X社が解約時までに支払った保険料の累計額は、5,200万円である。
・解約返戻金の額は、4,800万円である。
・配当等、上記以外の条件は考慮しないものとする。

1 【仕訳】 (借方)現金・預金 4,800万円 / (貸方)前払保険料 2,600万円                     雑収入 2,200万円
2 【仕訳】 (借方)現金・預金 4,800万円 / (貸方)前払保険料 2,600万円     雑損失 400万円         定期保険料 2,600万円

なぜ違う: 解約返戻金4,800万円は資産計上額2,600万円を上回るため雑損失は生じません。また既に損金処理済みの定期保険料を貸方に立てるのも誤りです。

3 【仕訳】 (借方)現金・預金 4,800万円 / (貸方)前払保険料 5,200万円     雑損失 400万円

なぜ違う: 前払保険料として資産計上されているのは支払累計額の2分の1である2,600万円であり、5,200万円全額ではありません。

正解: 1

要点: 正解は 1)。1999年契約の長期平準定期保険は旧法人税基本通達の取扱いにより、保険期間の当初6割の期間は支払保険料の2分の1を前払保険料として資産計上し、残り2分の1を定期保険料として損金算入します。

1999年契約の長期平準定期保険は旧法人税基本通達の取扱いにより、保険期間の当初6割の期間は支払保険料の2分の1を前払保険料として資産計上し、残り2分の1を定期保険料として損金算入します。支払保険料の累計額5,200万円のうち資産計上額は5,200万円×1/2=2,600万円です。解約により解約返戻金4,800万円を受け取ると、資産計上していた前払保険料2,600万円を取り崩し、差額4,800万円-2,600万円=2,200万円を雑収入として益金に計上します。したがって1)の仕訳が適切です。

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出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級実技試験(保険顧客資産相談業務)2025年5月公表分 問8