相続税における生前贈与加算に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

相続・事業承継・一部改変

設例

Aさん(75歳)は、自宅で妻Bさん(68歳)と2人で暮らしている。Aさんは、将来の相続を見据えて、妻Bさんや長男Cさん(40歳)、二男Dさん(38歳)に財産を贈与し、自分が健康なうちに財産を整理しておきたいと考えている。

〈Aさんの親族関係図〉
・Aさん ― 妻Bさん(配偶者)
・Aさん夫妻の子:長男Cさん(配偶者あり)、二男Dさん(配偶者あり)
・二男Dさん夫妻の子:孫Eさん

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

1 「Aさんが長男Cさんに財産を贈与し、長男Cさんが暦年課税を選択した場合に、Aさんがその贈与の日から10年後に死亡し、長男Cさんが相続または遺贈により財産を取得したときは、長男Cさんが贈与を受けた当該財産は相続税の課税対象となります」

なぜ違う: 暦年課税の生前贈与加算の対象は、相続開始前の一定期間(改正により最長7年)内の贈与に限られます。贈与の日から10年後の相続では加算の対象になりません。

2 「Aさんが二男Dさんに財産を贈与し、二男Dさんが相続時精算課税制度を選択した場合に、Aさんの相続において、二男Dさんが相続または遺贈により財産を取得しなかったときは、二男Dさんが贈与を受けた当該財産は相続税の課税対象となりません」

なぜ違う: 相続時精算課税制度を選択した贈与財産は、受贈者が相続や遺贈により財産を取得したかどうかにかかわらず、相続税の課税価格に加算されます。

3 「Aさんの相続において、Aさんから生前に贈与を受けた財産の価額を相続税の課税価格に加算する必要がある場合、原則として、贈与によって取得したときにおける価額を基に算出した金額を加算します」

正解: 3

要点: 正解は 3)。相続税の課税価格に加算する生前贈与財産の価額は、相続開始時の時価ではなく、原則として「贈与により取得したときにおける価額(贈与時の相続税評価額)」を基に算出した金額です。

相続税の課税価格に加算する生前贈与財産の価額は、相続開始時の時価ではなく、原則として「贈与により取得したときにおける価額(贈与時の相続税評価額)」を基に算出した金額です。値上がりしても値下がりしても贈与時点の評価額で固定されるため、選択肢3が最も適切です。なお暦年課税の生前贈与加算は、税制改正により相続開始前3年以内から段階的に7年以内へ延長されており、いずれにしても贈与から10年後の相続では加算対象になりません。相続時精算課税を選択した財産は、相続や遺贈で財産を取得したかどうかにかかわらず必ず加算されます。

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出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級実技試験(保険顧客資産相談業務)2026年5月公表分 問15 を一部改変