Mさんは、Aさんが個人事業主になった場合の変更点や想定されるリスクについて説明した。MさんのAさんに対する説明として、次のうち最も適切なものはどれか。

リスク管理・一部改変

設例

X株式会社(以下、「X社」という)に勤務するAさん(40歳)は、専業主婦である妻Bさん(35歳)との2人暮らしである。
Aさん夫妻には、まもなく第一子が誕生する予定である。また、Aさんは、大学卒業後から勤務したX社を半年後に退職し、飲食店を開業する予定である。Aさんは、退職後の健康保険(現在、Aさんは全国健康保険協会管掌健康保険に加入)がどのように変わるのか、個人事業主としてどのようなリスクに備える必要があるのかなどについて検討したうえで、生命保険を見直したいと思っている。
そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。

〈Aさんが現在加入している生命保険に関する資料〉
保険の種類:定期保険特約付終身保険
契約年月日:2008年6月1日
月払保険料:17,000円(保険料払込期間:65歳満了)
契約者(=保険料負担者)・被保険者:Aさん
死亡保険金受取人:妻Bさん

主契約および特約の内容保障金額保険期間
終身保険200万円終身
定期保険特約3,000万円10年
特定疾病保障定期保険特約300万円10年
入院特約1日目から日額10,000円10年
傷害特約500万円10年
リビング・ニーズ特約――

※更新型の特約は、2018年6月1日に記載の保障金額で更新している。

※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

1 「Aさんが個人事業主になった場合、雇用保険の被保険者になることはできません。また、原則として労働者災害補償保険の給付を受けることもできないため、ケガや病気で休業した場合の補償などを各種保険商品で準備しておくことをお勧めします」
2 「個人事業主になると、収入の所得区分が給与所得から事業所得に変わります。Aさんを被保険者とする生命保険の保険料は、事業所得の金額の計算上、すべて必要経費となります」

なぜ違う: 被保険者を自分自身とする生命保険の保険料は家事関連費であり、事業所得の必要経費にはなりません。生命保険料控除の対象となるにとどまります。

3 「個人事業主になったAさんが就業不能状態となった場合、収入が途絶えるリスクがあります。ただし、Aさんが就業不能状態と判断された場合、現在加入している生命保険のリビング・ニーズ特約から最大で3,000万円の給付金を受け取ることができます」

なぜ違う: リビング・ニーズ特約は、余命6カ月以内と判断された場合に死亡保険金の一部を生前に受け取る特約です。就業不能状態になったことを理由に給付を受けられるものではありません。

正解: 1

要点: 正解は 1)。雇用保険と労働者災害補償保険(労災保険)は、いずれも「労働者」を対象とする制度です。

雇用保険と労働者災害補償保険(労災保険)は、いずれも「労働者」を対象とする制度です。事業主である個人事業主は原則としてこれらの被保険者・給付対象にならず(労災は特別加入制度を使う場合を除く)、ケガや病気で働けなくなったときの休業補償が公的制度からは受けられません。したがって、就業不能保障保険や所得補償保険などの民間保険で備えるべきという選択肢1の説明が最も適切です。会社員時代に得ていた傷病手当金や労災の休業補償が使えなくなる点が、開業に伴う最大のリスク変化になります。

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関連キーワード: リスク管理・ライフプランニングと資金計画・3級・実技

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出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級実技試験(保険顧客資産相談業務)2026年5月公表分 問5 を一部改変